Evernote から Obsidian・UpNote へ移行する方法
Evernote は2023年に有料プランを値上げし(Impress Watch)、無料プランは現在ノート50件・ノートブック1冊までです。上限を超えても、ノートの閲覧・編集・書き出しはできます。現在の料金は公式の料金ページで確認できます。
この記事では、Evernote の解約や代替アプリを検討している方向けに、乗り換え先として Obsidian と UpNote を取り上げ、Evernote からの書き出し、移行でよくある問題の対処法、それぞれのアプリへの移し方を順に説明します。
ステップ1:Evernote からノートをエクスポートする
どの方法で移行する場合も、最初に Evernote のノートを .enex ファイルとして書き出します。
デスクトップアプリでエクスポートする
- Mac 版または Windows 版の Evernote を開き、同期が終わるまで待ちます。
- サイドバーでノートブックを右クリックし、「ノートブックをエクスポート」を選びます。
- 形式は ENEX を選び、書き出し用のフォルダに保存します。ファイル名は Evernote が付けたまま(ノートブック名)にしておきます。
- 移したいノートブックごとに繰り返します。
Evernote が書き出せるのはノートブック単位か、手動で選んだ100件までのノートです。ノートブックごとに書き出してください。Web 版とスマートフォンのアプリからは書き出せません。
ノートブックが多い場合は evernote-backup
evernote-backup は、アカウント全体をダウンロードしてノートブックごとに .enex を書き出す、無料・オープンソースのコマンドラインツールです(this2that が提供するものではありません)。Mac、Windows、Linux で動き、スタックはフォルダとして書き出されます。
evernote-backup init-dbでサインインします。evernote-backup syncでノートをダウンロードします。大きなアカウントでは時間がかかりますが、止めても同じコマンドで続きから再開できます。evernote-backup export notes/で notes フォルダに書き出します。
evernote-backup の説明によると、無料プランは同時に使えるセッションが1つだけのため、サインインすると別の端末の Evernote からサインアウトされることがあります。
無料で試す
ノート50件まで無料で試せます
変換した結果を実際のアプリで開いて確かめてから、必要な分だけパックを購入できます。変換ツールと決済画面は現在英語表示です。
移行でよくある問題と対処法
「無題のノート」が大量にできる
現行の Evernote アプリで書き出したファイルを Obsidian に読み込むと、「無題のノート」が大量にできたという報告があります(fluentlife.jp の記事)。原因ははっきりしませんが、報告された例では、本文の1行目にタイトルを書いていたノートで起きていました。
this2that は、タイトルが「無題のノート」のノートを、本文の1行目をタイトルにして保存します。写真だけのノートなど、本文に文字がないノートは元のタイトルのままです。無料の Importer で読み込んだ場合は、ファイル名を1つずつ本文の1行目に合わせて変更することになります。
100件しか選べない
100件の上限は、ノートを手動で選んだときだけです。ノートブックごとに書き出すか、evernote-backup でアカウント全体を書き出してください。this2that には、エクスポートしたファイルをすべてまとめてアップロードできます。
大きなエクスポートに時間がかかる
大きなノートブックの書き出しには時間がかかります(約1万件・2GB で30分以上かかった例があります)。ノートブックを分けて書き出すか、evernote-backup を使うと確実です。this2that には、エクスポートしたファイルをまとめてアップロードできます。
添付ファイルが表示されない
移行後に写真や PDF がノートから見えなくなるのは、添付ファイル自体は保存されていても、ノートから参照されていない場合です。this2that は写真や PDF を元のノートの中に入れます。
スタックとタグの階層
Evernote アプリの書き出しファイルには、スタックもタグの階層も含まれません。スタックは evernote-backup で書き出したフォルダを this2that にアップロードすれば、Obsidian ではフォルダとして残ります。タグは階層なしで移ります。Obsidian の公式ヘルプは、エクスポート前に子タグを「親/子」の形に名前を変えておくことを推奨しています。
Obsidian へ移行する
方法1:Obsidian の Importer(無料)
Obsidian 公式の Importer プラグインは、.enex ファイルを読み込めます。
- Obsidian の設定で「コミュニティプラグイン」を開き、Importer をインストールして有効にします。
- コマンドパレットかリボンのアイコンから Importer を開きます。
- 「File format」で「Evernote (.enex)」を選び、ファイルを選んでインポートします。
ノートブックが少なければ、これで十分です。スタックは、ファイル名を「Stack@@@Notebook」に変えるとフォルダとして再現できると公式ヘルプにあります。ノート間のリンクや添付ファイルの扱いは公式ページに書かれていないため、リンクや写真、PDF のあるノートを開いて確かめてから、残りを読み込みましょう。
方法2:this2that でまとめて変換
this2that は、この記事を書いている私たち自身のツールです。その点はご承知のうえでお読みください。Evernote には接続せず、ステップ1で書き出した .enex ファイルを使います。
- Evernote 移行ツールからサインインし、.enex ファイル(または evernote-backup のフォルダ)をすべてアップロードします。
- ノートブックとノートをフォルダのように開き、Obsidian での表示をプレビューします。ノートブックごと、またはノート単位で選んで変換します。
- zip をダウンロードして展開し、Obsidian で Evernote フォルダを保管庫として開きます。すでに保管庫がある場合は、Evernote フォルダをその中に移します。
- ノートはタイトル名のファイルになり、ノート間のリンクは [[リンク]] になります(リンク先のノートも変換した場合)
- 写真や PDF は元のファイル名で保存され、ノートの中に表示されます
- タグ、作成日・更新日、Web クリップの元の URL はプロパティに残ります
- たどれなかったリンクなどは、ダウンロードに含まれるレポートで確認できます
UpNote へ移行する
方法1:UpNote の Evernote インポート機能(無料)
UpNote の Mac、Windows、Linux アプリには Evernote からのインポート機能があります。インポートしたノートは、UpNote の同期機能でスマートフォンにも反映されます。
- Mac ではメニューの File → Import Notes → Evernote、Windows では Settings → General → Import from Evernote を開きます。
- Select .enex files で、すべてのファイルを一度に選びます。
- Use file name as notebook をオンにすると、ファイルごとにノートブックができます。
- Import Notes を押します。
UpNote のヘルプによると、20MB を超える添付ファイルや 30万文字を超えるノートは読み込めないことがあります。また、ノート間の Evernote リンクは変換されず、Evernote を開くリンクのまま残ります。UpNote の無料版はノート50件までで、添付ファイルは Premium の機能です(UpNote)。
方法2:this2that で整えてから読み込む
読み込み自体は UpNote で行い、this2that はすべてのノートが読み込めるようにファイルを整えます。
- ノートブックごとに1ファイル。ファイル名をノートブック名にしているので、UpNote でもその名前になります
- 20MB を超えるファイルは別フォルダに分け、ノートにはその旨を1行残します
- 長すぎるノートは「タイトル (1 of 2)」のように分割します
- evernote-backup のフォルダをアップロードした場合は、どのノートブックがどのスタックにあったかの一覧を付けます
まとめ
- まず Evernote のデスクトップアプリか evernote-backup で、ノートブックごとに .enex を書き出します
- ノートブックが少なければ、Obsidian の Importer や UpNote の読み込み機能で十分です
- ノートが多い場合や、「無題のノート」・添付ファイル・スタックが気になる場合は、this2that でまとめて変換できます
- 移行が終わるまで、Evernote のアカウントと .enex ファイルは残しておきましょう
最初のノート50件は無料です。それ以上は、ノート数に応じた買い切りパックをご購入いただきます。料金はノート1,000件まで $29(約4,600円)、ノート10,000件まで $49(約7,700円)、ノート50,000件まで $99(約15,600円)です。お支払いは米ドルで、円への換算はカード会社の為替レートによります。パックは追加購入でき、有効期限はありません。同じノートを別のアプリ用にもう一度変換しても、追加料金はかかりません。